【とにかく子どもの面倒をよく見る、大倉山藍田学舎学長からのメッセージ】『日本における英語の教育環境について』
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昨今の日本では「企業や私達を取り巻く環境のグローバル化」「海外文化の流入」などにより「英語への関心」が高まっています。
しかし、日本は海外に比べて英語の教育環境があまり整っていない状況下にあります。
にもかかわらず小学校での英語教育の開始、センター試験から共通テストへの変更等、様々な施策は打ち出され、教育現場はより一層の混乱状態に陥っているのが現状です。
そこで今回は「日本における英語の教育環境」について考えてみたいと思います。
日本の英語教育の問題点
専門的な話になりますが、日本の学校の英語教育では長い間「文法訳読方式」を採用しています。
まさに「文法を重視して訳して読解する方式」のことです。
この方式は英語教授法の専門家から長い間批判され続けている方法ですが、文法訳読方法では2200時間ほど学習しても英語を使えるようにはならないと言われています。
そのため世界的に見ても、英語を話せる人が日本人は圧倒的に少ないのが現実です。
英語を習得するには約3000時間が必要と言われる中で、日本の中高生の受講する英語の授業時間は、英語を習得するための時間に圧倒的に足りていません。
一般的に中学校における英語の授業時間は3年間で約350時間、高校では約450時間と、6年間でも3000時間に圧倒的に足りないのがわかります。
習得に必要とされている時間を達成するには、学校の授業だけでは到底到達できないため自宅での家庭学習・塾などをフル活用しなければなりません。
しかし、たとえ家庭学習や塾をフル活用し、現状を真摯に受け止めたとしても、それは受験英語や受験突破のためのテクニックを学んだに過ぎません。受験時に得意科目として英語を使えるかどうかも怪しいものです。
英語を自分の身につけていくために
実際、英語を習得するためには約3000時間が必要と言われていますが、学習時間の多い人は約4000時間、はたまた5000時間必要だったということも聞きます。
そういったことを踏まえて考えると、中学英語すら習得するためには「3年間で約350時間の授業を受けるのと同等の時間」を自主学習に回すことで十分な勉強時間を得なければなりません。
勿論、勉強位しなければならない教科は英語だけではありませんから、綿密かつ大胆な計画が必要になってきます。そして、計画を立てるとともに密度の濃い勉強を効率的にする必要が出てきます。
自主学習には音読や問題集をひたすら解くなど、効率的な勉強方法が多くありますが、一人で簡単に覚えられるものではないため、とにかく繰り返しやることが大切になってきます。
まずは、基礎である中学英語を習得できるような計画を立てることが必要となってきます。
学習時間と成果の関係
最後に、英語に限らず物事の習得でもっとも大事なことは「学習初期段階での努力の継続」です。
努力(学習時間)と成果は比例関係ではなく累乗関係にあります。学習の初期の段階では、すぐに成果が現れないからといってすぐに諦めてはいけないということです。特に英語は、ひとつ上の次元に行くまでに相当苦労します。
どの学習においても、学習の効果は徐々に上がっていくカーブを描くことが脳科学の研究からわかっています。「学習の目標を100とした場合、学習を始めた時点を1とすると、2、4、8、16、32、64と累積効果を示していきます。学習を始めた最初はゴールまで遠いと思うかもしれませんが、16、32とくれば一気に加速していきます。
このような成長パターンを示すのが脳の性質ですから、とにかく目標に向かって努力を継続していくことが非常に大事なのです。
大倉山藍田学舎 学長 小野修一郎