【とにかく子どもの面倒をよく見る、大倉山藍田学舎学長からのメッセージ】『正しい記憶法を脳のメカニズムから理解する ②』
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記憶力・理解力というのは、勉強だけでなく日常生活においても非常に重要な能力です。
正しい脳のメカニズムを知り正しく脳をコントロールすることで、もし勉強に関係するさまざまな悩みを改善できるとしたら、すぐにでも正しく取り入れてトライしない手はないでしょう。
「記憶する」ことと「理解する」ことの違い
そもそも「記憶すること」と「理解すること」は異なります。
記憶することは「脳にインプットすること」、理解することは「インプットしたものをアウトプットできる様になっていること」です。
「一生懸命努力しているのになかなか結果がついてこない。」そんな悩みを抱えている学生達は数多くいるでしょう。
しかし、成績が上がらないということは、理解する時になんらかの不具合が起きているに違いありません。
最悪の場合、知識を暗記しただけなのに「理解した」「習得した」と錯覚している可能性があるといえます。
この錯覚に陥ってしまうと、まだ理解していないことまで「もう理解している」と認識してしまいます。
こうした錯覚は、災い転じて福となる可能性もありますが、大抵は知識の崩壊や雪崩を起こします。
そういったことを避けて進事ができるように、より高い効果が得られる勉強法を考えてみたいと思います。
他人に教えることができれば、より理解が深まります。
私達人間は、自分達が現在見えているものに注意を払い、意識せずに記憶しているわけではありません。
人間の脳のメカニズムとして、私達が日常生活をスムーズに送るために「大事でないことは記憶しない」「不都合なことは忘れる」という能力を、備えています。
そういったことから、日々の暮らしの中で、自分自身の身近にあるものを「記憶」はしていても、「理解」しているわけではありません。
例えば、あなたはテレビをメカニズム的に理解していますか?
私達の身近にあるテレビも、必要な時にリモコンのスイッチ操作の知識さえ「記憶」していれば十分使いこなせます。
当然テレビのメカニズムを「理解」する必要はありません。
日常生活を送る上ではとても便利な感覚ですが、こういった私達が使いこなしている感覚が「○○について理解している」という、「錯覚」を生んでしまっているのです。
日常に溢れるものは特にそうです。
実際、私達が知っていることは、操作方法の一端を知識として覚えているレベルです。
勉強での典型的な例は、何度も教科書やノートを一生懸命に読み返して勉強したのに「テストで良い点が取れなかった」「試験に落ちた」など。
これは、読み返した内容を見慣れた脳が「理解した」と取り違えて錯覚をしているのです。
だからこそ「見ているだけ」「眺めているだけ」「読んだだけ」等で例え五感をフル活用したとしても、それは「記憶するための作業」に過ぎません。
勉強法として効果的なのは、実に古典的で非効率に思われるかもしれませんが、実際に自分自身の手で問題を解くことです。
教科書を何十回読むよりも、問題集を3周解くほうが非常に効率的です。
そして、問題集を解くと同時に誰かに内容を教える機会があればより効果的でしょう。
知識を「理解」していなければ、他の人に教えることはできません。
また、相手の質問を受けることで「理解の錯覚」から抜け出すことは出来ます。
勿論勉強は一人で行うものですし、他人と傷を舐め合っていても仕方がありません。
しかし、様々な工夫の一環に、記憶し理解しアウトプットするときに第3者の手を借りてみるのも工夫の一つでしょう
大倉山藍田学舎 学長 小野修一郎