【とにかく子どもの面倒をよく見る、大倉山藍田学舎学長からのメッセージ】『暗記法について考える【2】』
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『暗記法について考える【1】』
前回のブログでは、暗記が出来ない・難しい理由について考えました。
今回、暗記の難しさ・短期記憶と長期記憶についてを脳の機能面から考えてみたいと思います。
記憶の忘却曲線とは
記憶の忘却曲線とは、時間経過による記憶の保持率の変化をまとめたグラフのことです。
ここではエビングハウスの忘却曲線の特徴について考えます。
◆エビングハウスの忘却曲線について◆
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、「無意味な音節を人に記憶させ、時間の経過ともにどれだけ忘れるか」という実験を行いました。その実験結果をグラフに表して数値化したものが、「エビングハウスの忘却曲線」です。
エビングハウスの実験結果では、「人は覚えた内容を段階的に忘れていくこと」がわかりました。
グラフによると、人は20分後であれば約60%を覚えているものの、1時間後には約45%、1日後には30%まで低下してしまいます。6日後には約25%しか記憶が残っていません。
つまり1時間経過しただけで、人は覚えた内容の半分以上を忘れてしまいます。
また、覚えた内容を定着させる方法もあります。カナダのウォータールー大学の研究結果では、暗記した内容に対して24時間以内に10分間の復習、1週間以内に5分の復習、1ヶ月後に2〜4分の復習を行うことで、記憶率が100%に戻ることがわかっています。適切なタイミングで復習を行えば、暗記した内容を定着させることができることを発表しています。
上記をふまえ考えてみると、「暗記法という名様々なテクニック」と「タイミングよく復習するという脳の機能面」から解決策の一端は見出せると言うことがわかります。
短期記憶と長期記憶とは?
人の記憶には、短期記憶と長期記憶があります。
初めて記憶したものは脳の海馬に短期記憶として一時的に保存されます。しかし海馬は容量が少ないため、次々に覚えていくと古いものから消去していきます。
ただし、覚えた内容のすべてを消去するわけではなく、海馬が重要だと判断したものは長期記憶として大脳皮質に保存され、忘れにくくなります。
ここでの重要な記憶とは、命に関わる物事を指します。
生命に関わる情報は、本能的に長期記憶として蓄えています。しかし、普段勉強する内容は、ほとんどが命に直接関わるものではありません。
暗記のポイントは、反復学習を行って長期記憶にするほど大事な情報であると脳を騙すことです。
近年では加圧式筋トレ、メンタルトレーニングなど様々な分野で、脳を一時的に騙すことで心身に良い効果が得られる方法論が広く広まっています。
暗記法に関しても、まずは重要なものに線を引いたり、付箋を貼ったり、音読したりと様々な形で脳に語りかけることが良いように思います。
次回は、効率的な暗記法について考えて見たいと思います。
『暗記法について考える【3】』に続く。
大倉山藍田学舎 学長 小野修一郎