藍田学舎 卒業生の声
2022年度 藍田学舎 卒業生 K君
2023年3月 日本大学高等学校卒
2023年4月 日本大学 生物資源科学部入学 現在
将来の夢:お菓子を企画、開発すること
趣味:食べること、料理すること、得意な料理はチャーハン
部活:スキーサークルとスイーツ部に所属
成績はいつも下のほう。
大学進学を諦めて当然だった子が たった3か月で第一志望の大学に合格できた訳とは
「将来は食品の仕事に就きたい」そう話すK君は、物腰が柔らかい、とても落ち着いた好青年です。そんな彼が、慌てて藍田学舎へ転がり込んできたのは、高校3年生の夏休み直前の6月。小野学長に与えられたミッションは、3か月後の大学進級がかかる校内基礎学力試験で良い成績を収めること、そして彼の夢を紡ぐことでした。
学年ビリを経験、ずっと下の成績だった
―高校1年生の時に学年ビリを経験したんですよね。
K君「はい、そうなんです。1度だけですが(笑)。高校2年生になっても下から数えたほうが早いくらいの成績でした。高校3年生になっても状況は変わらずでした」
―この状況を変えたい。そうは考えなかったですか?
K君「成績はずっと下のほうで、最初の頃は恥ずかしいという思いはありました。慣れすぎてしまうと、そんな思いは自然と無くなっていきました。ただ、自分だけ取り残される感もありましたし、このままではマズイなという思いはいつもありました」
―どうして塾へ行こうと思ったのでしょうか。
K君「将来は食品の仕事がしたいという漠然とした思いがありました。いろいろ調べると専門学部がある大学で学ぶ必要があること。その学部が、付属する日本大学に存在することを知ったのです。合格の条件は、9月の基礎学力試験で優秀な成績を修めること。その残された時間は、たったの3か月しかありませんでした」
―残り3か月で仕上げるのは、無謀な計画ではないでしょうか。
小野学長「その通りです。危機的な状態でした。基礎的なところが全く分かっておらず、0からやらないといけない状況です。普通なら諦めて当然です」
―それでも諦めなかったのは何故でしょうか?
小野学長「笑。K君。その点はどう思う?」
K君「いろいろ考えて、やはり食品系の学部へ行きたかったんです。ただ学力が全くなかったのも自覚していました。正直諦めていましたが、小野学長と会って授業を体験したところ、“もしかしたらいけるかもしれない”と感じたんです」
―“もしかしたらいけるかもしれない”と感じたエピソードを教えてください。
K君「とにかく体験授業が分かりやすかったです。この勉強方法なら僕でもできそうだと直感したのです。団体塾では、ある程度できる前提で授業が進んでいきます。僕は全く理解していなかったため、言っている内容が頭に入ってこない、何もわからない塾がほとんどでした。藍田学舎の小野学長は、私のことを理解し、学習方法を明確に伝えました。教え方が私に合っていたんです」
小野学長「私からは“ゼロからやろう”と伝えました。まず学校終わったらすぐに塾へ来なさいと。彼と話をして、賢い子だとすぐに気づきました。頭の中で腑に落ちると理解できる子だったのです。おそらく勉強の本質を理解し、自分流に落とし込むことができたら、成果は上がるだろうと察知したのです。それからはこの“型の整理”を、徹底的に落とし込んでいったのです」
小野学長がK君へ伝えた2つのこと
1.勉強の本質を見抜く「本来はこれだけわかっていれば問題は解ける」
2.型の整理を落とし込む「自分流に落としなさい」
―その勉強方法に関して、どう感じましたか?
K君「時間の猶予はありませんでした。何から手を付けてよいか、わからない状況でした。小野学長と出会い、この2つのルールに基づいて問題を自分で解いたところ、本当に一人で解けるようになって行ったのです。勉強って楽しいんだと、実感したのは、この時が初めてだったと思います。この勉強方法は僕に向いていると感じました」
―3か月は期間が短いです。どのような計画を立てられたのでしょうか。
小野学長「整理ができるようになっても、彼にはスピードがありませんでした。数学においては、中学の時からやり直しが必要でした。浅く広くですが、中学の数学はすべてに連動しています。遡りながら、因数分解と展開を徹底してやりました。整理の方法を身に着けたおかげで、定着力は着いてきました。ただし、成績の累積ゼロ。アドバンテージがない分、9月の本番に向けて一発勝負でした」
小野学長とK君が決めた計画の概要
ルール:勉強の本質を見抜き、整理と演習を繰り返す(PDCA)
方針
- 目標に向けて、スタートとゴール、現在の位置を都度確認する(徹底した声かけ)
- 数学を柱に据え、中学から広く浅く全範囲を取り組み得点源にする
- 英語はコンスタントに取り組む
- 国語力は50~60%ほどあったので注力しない
- 生物は残りの1か月で取り組む(死なない程度に取り組む)
小野学長は、整理の方法の事例を挙げた「100グラムは1000円、200グラムは2000円。15グラムが1000円になると、さて13グラムは?となると分からない子が沢山いるという。この場合は、自分が分かりやすい、わかるものを使って整理していくという。その整理に必要な知識はこれだけです」
―親御さんの反応はいかがでしたでしょうか?
K君「お母さんと一緒に面談したのですが、ここが良いんじゃないかと即答していました。個別でカスタマイズされて、しっかりとゴール設定をし、どれだけ頑張ったら結果どうなると都度教えてくれるところじゃないかと。のんびり屋の僕なので、その方が向いていると、そう感じたのだと思います」
小野学長「面談の時に伝えたことがあります。私もスーパーマンじゃないので、確約もできない。絶対はないし、希望的なこともないと。ただできることは“諦めないでやりきること“だと。これを納得してもらえないと、私も本気で戦えないです。そうお二人に伝えました」
整理の方法を学んだことで出た“生物”の成果
―生物はほぼ自力でできたと聞きました
K君「はい、生物はほとんど自力でやりました。これも小野学長のもと、整理する能力を身に着けたおかげだと思っています。小野学長からは、出題の傾向を見て、この順番でこの問題を徹底的に解きなさい。とご指示を頂きました」
小野学長「基礎学力試験の結果は、日大日吉のトップと変わらない点数を取ったそうで、私もびっくりしています笑」
―苦手なやり方では成果が出ない。マネジメントの本質のように感じます。
小野学長「その通りです。私が伝えたかったのは勉強の整理整頓であり、自分流を作り上げることができる子は、比較的成果を上げやすいことを知ってい
ました。これには再現性があります。勉強を教えるというよりは、コーチングに近いかもしれませんね」
ビリから、中くらいの成績でフィニッシュ
―基礎学力試験の結果が、中くらいより上だったんですよね?
K君「はい、そうです。3か月の成果として非常に喜んでいます。担任の先生もびっくりしていましたし、よく頑張ったねと言っていただきました」
―そして10月に結果を受けて、日本大学生物資源科学部に内定を頂いた
K君「はい、とてもうれしかったですね。お母さんも泣いて喜んでくれました」
―この短期間で成果を上げることができた要因は何でしょうか?
K君「勉強がわかるようになったのがすべてです。ちょっとやったらわかるようになった。スイッチが入った瞬間がありました」
小野学長「一番の要因は、残された時間、私も〇〇〇〇君も、全く諦めなかったことだと思います。本来なら頑張れないレベルにあったにも関わらず、本人が踏ん張ってくれました。私もこれまで以上に激を飛ばしてきましたし、それに彼は答えてくれました」
―とはいえ、相当の覚悟が必要だったと思います。
小野学長「そこは、腹をくくるしかなかったです。勝っても負けても全力でいくしかないと話をしてきました。負けたら、負けましたと覚悟を決めると。本気で向き合ってきた分、今はお互い疲労感がない状態です。ギャップが生まれていたら、今の状況はなかったでしょうね」
受験生へのメッセージ
―受験勉強で成果を上げる秘訣として、子供たちへ伝えたいメッセージがあれば教えていただけますか?
小野学長「諦めないことと、素直でいることです。この2つに尽きます。ビジネスの世界でも同じじゃないでしょうか。諦めないで努力し続けた人、そして素直な人の方が、成功するチャンスがあり、成果を上げやすいのではと思います。受験勉強も同じだと思っています」
―将来はどんな夢がありますか?
K君「食品業界に就職し、自分で考えたスイーツ、お菓子を作りたいと考えています。食べることも料理することも好きですし、ずっと食品にかかわる仕事をしていきたいですね」
―K君の開発したお菓子、楽しみですね?
小野学長「はい、楽しみですね。彼が作ったお菓子が、コンビニに並んでいる姿が待ち遠しいです。その時になって初めて、本当に諦めなくてよかったと実感できるんでしょうね」
―塾の仕事は、まさに夢を紡ぐ仕事だと思います。本日はありがとうございました。